未成年者が相続人の遺産分割協議

民法907条1項

共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

相続人全員で、どの財産を誰がどのように受け継ぐのかを話し合います。これが遺産分割協議です。

話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議のポイントは、相続人全員で行わなければならないということです。

さて、相続人の中に未成年者がいる場合があります。事故などで比較的若くして両親などが亡くなってしまうときに、その相続人が未成年だったということは少なくありません。

このとき、未成年者は遺産分割協議に参加することはできません。未成年者は法律行為をすることができないからです。遺産分割も法律行為です。

 

こういう場合は、通常は未成年者の代わりに親権者(両親)が法律行為を行っていきます。

しかし、親権者も相続人になっている場合があります。むしろ一般的な家族構成であれば、親権者も相続人になってしまうことのほうが多いかもしれません。3人家族であれば、父または母が死亡したときに相続人になるのは、父または母と子になるからです。

 

利益相反

親権者と子である未成年者が、共に相続人になっている遺産分割の場合は親権者が子を代理をすることができません。なぜでしょうか。

これは、親権者と子の利益が相反してしまうからです。これを利益相反行為といいます。

子供と親権者の利益が常に対立するという構造になります。例えば3人家族で父親が死亡してしまった場合を想像してください。残された相続人は母と子(未成年)であったとします。

母が子を代理して遺産分割をできてしまうとどうなってしまうでしょうか。利益が対立しているので、母が子の利益を害してしまう可能性があるのです。

このような場合では、親権者が未成年者を代理することができなくなります。では、どうなっていくのか。これが今回のテーマになります。

 

遺産分割協議

特別代理人を選任する

子である未成年者と、親である親権者が共に相続人である場合には、お互いの利益が対立します。遺産分割協議は利益相反行為となり、親は子を代理できなくなります。

この場合は、子供の代理人として特別代理人を選任することが定められています。

・民法826条1項

親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

このように、親権者の代わりにこの特別代理人が、未成年者を代理していきます。

つまり、遺産分割協議書には相続人全員の実印での押印が必要になりますが、未成年者が相続人の場合は特別代理人が代わりに押印するということです。

さて、では未成年者の相続人が複数いる場合はどうでしょうか。

 

・民法826条2項

親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

子が2人いて、2人とも未成年の場合です。例えば父が死亡してしまったら、母と子ども二人が相続人になります。

そして、お互いの利益が相反することになります。子二人にそれぞれ特別代理人を選任する必要があります。

母が相続放棄した場合はどうでしょうか。この場合は母は相続人とはみなされませんので、子二人の利益が互いに対立します。母と子は利益相反ではありませんが、子同士が利益相反になります。この場合は、子の一方の代理人に母はなれますが、もう一方の代理人には特別代理人を選任する必要があります。

 

特別代理人とは?

では、未成年者の代わりに遺産分割協議に参加することになる特別代理人には具体的に誰がなれるのでしょうか。

これは相続人以外であれば基本的に誰でもなることができます。(未成年者はもちろんなれません)

直接相続に関係ない人であればなることができます。例えば、親族でも相続人でなければ基本的にはなれてしまいます。

近所の人などでもなれてしまいますが、遺産分割の内容がわかってしまいますので、基本的には親族(子からみて叔父や叔母、祖父や祖母など)がなるほうが一般的ではあります。

司法書士などの専門家も特別代理人に選任されることがあります。やはり、親族が特別代理人に選任するとなにかと問題がある場合も出てきます。また、特別代理人になってもらえる親族がそもそもいない場合もありますので、そのような場合は専門家へ依頼するのも検討していきましょう。

 

特別代理人選任手続き

特別代理人の選任は家庭裁判所へ申立することが必要になります。

主な必要書類

  • 申立書
  • 親権者又は未成年後見人の戸籍謄本
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
  • 利益相反に関する資料(遺産分割協議書の案等)
  • 利害関係人からの申立の場合、利害関係を証する資料(戸籍謄本等) など

 

申立人は親権者や利害関係人、申立場所は子の住所地の家庭裁判所、申立費用は子1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です。

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このように、遺産分割協議は非常に重要な手続きです。テレビドラマでもご覧になったことがあるかと思いますが、相続人が多くなり、遺産も多くなる遺産分割協議ではトラブルに巻き込まれることも多くあります。

特別代理人は近親者でもなることができますが、不公平になり後々のトラブルの元になってしまうこともあります。

このようなことにならないように、遺産分割協議について少しでもご不安がある場合は、無理せず専門家に相談することを検討していきましょう。

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